親父が娘を愛してる話

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先日、女の子を泣かした。

治療家の娘なんだけどさ。お父さんと娘の話をしたら、泣いてた。
あなたは、娘がいるかな?身内って結構きびしいことない?

今回は、経営とかの話じゃないから、役に立つ話じゃないけど。ゆるしてね。

女の子って、なんでえばるんだろうね。
例えばさ、女の子はお父さんから「お前はなんで結婚しないの?」なんて言われたくないでしょ?これが、娘にはあるんだよね。

親父って、ものすごくいろんなことを経験してきているわけ

こうやったら成功するし、こうやったら失敗する、ってことが、わかってるわけ。親父のいうことを聞いたら、間違いないわけだよ。間違いないのに、どうして自分のいうことを通すんだろう?男の子は言わないけど、女の子はどうして言うんだろう?10代だったらまだいいよ。なんでこの年で反抗するんだろう?

お父さんて、娘が一番かわいいんだよ。奥さんなんか、どうでもいいんだよ。長い人生経験の中で、こうしたら、こうなっちゃうんだよ、っていうのがある。そんな方に行ったら、結果はこうなるよ、っていうのがある。だから、こうしないで、こっちの道を歩いた方が幸せだよ、っていうのがある。

私自身も、そうだったこともある。親に言われて、つっぱっちゃったっていうのはある。だから、全くわからないわけじゃないんだけど。まあ、若さかな。

お父さんは娘が一番可愛い。だから、娘の期待を裏切らない。期待を裏切るなんて、勝手にそう思っているだけ。だってさ、自分が死んでも娘を守る、っていうのが親なんだから。

例えば、溺れて1本のロープで1人しか助けられないとしたら、絶対、娘を助けるから。そういう気持ちを、どんなお父さんでも持っている。

なんで、女の子はそれをわからないの?本当なんだよ。なんで、お父さんに愛してるって素直に言えないの?

本当に、あなたのことしか思わないんだよ

娘に何かされてさ、恨むことないものね。女房は別だよ。それほどさ、娘は目に入れても痛くないんだよ。父親は、娘に対しては、すごいんだよ。息子とは、そうでもないみたいだけどね。うちは息子がいないから、わからないけど。

落語でも、そういうのがある。刺青を入れて火消しをやった、っていう落語があるの。火が家の近くまできて、燃えそうだった。そのとき、火消しで守ってくれた。お礼をしようと思ったら、自分の息子だった、っていうわけね。

お父さんは「俺はこんな奴は知らねえ」っていった。なぜって、体全面に刺青が入っているから。息子は泣いた。

自分の息子だから、可愛いのはわかってる。だけど、言葉では「知らん」てね。でも母親は「ありがとう。あなたのために着物を仕立てたのがあるんだけど、着てちょうだい」ってね。それを、親父はやめろと言わない。やっぱり、着てもらたいんだよね。だけど、男の意地として言えないんだよね。この落語は、泣ける落語なんだよ。

結局、紋をはっちゃったから、親不孝に終わってね。でも、紋入れたのは、火消しが命がけだからなんだよ。昔は、命をはってる人はみんなそうだったの。昔はトビも入れたんだよ。私のじいちゃんもトビだったんだけど。それは別にヤクザじゃないんだよね。

なぜかって、女を寄せ付けないためなんだよ。女ってのは昔はお化粧が’鉛’だったの。刺青彫ったところって、傷がいっぱいあるわけじゃない。抱いたら、傷に鉛が入って体がダメになっちゃうの。だから、女を寄せ付けませんよ、っていうことで紋をはったの。

ヤクザってのは、昔は脅しじゃなくて「女を寄せませんよ」っていうことで彫ったんだよ。そこいらのチンピラが入れているのは、インチキだからね。そういう歴史的背景があるわけ。日本の歴史を学ぶと、めちゃ面白いですよ。

うちのじいちゃんはそうだった。だから、軍隊行ったときも、騎馬兵だったんだけど、シャツを着て、どんなに暑くても絶対、長袖を脱がなかった。だけど一生涯、銭湯にはいかなかった。素人には見せなかった。脅かしちゃいけないからね。

そのじいいちゃんはね。娘が可愛い。なんていったって、娘が可愛い。うちの父はまあ、私が男の子だから、そうでもないだろうけど。

何か、娘のことは許せちゃうんだよね。人道的な変なことやったらダメよ?でも、一般的なことだったら許せちゃう。だけどね。こっちの思いが伝わらないの。こっちが思っているのに、娘は思ってくれない。だってさ、肉親で唯一の存在なんだよ。なんで、わかってくれないの?

常に父親は人生経験が上なんだよ。いろんな失敗の経験をいっぱいしているわけ。だから、可愛い娘に失敗させたくない。苦労させたくない。だから、アドバイスしているわけだよ。

それを否定するんだよ。考えが古いとかね。自分の方がおかしいんだよ。自分で自分のことをおかしい、って思わなかったら、救いようがない。

親父は泣いてるんだよ。心の中で。親父がいくらいっても、わかってくれないって。だから、いつも寂しい思いをしているんだよ。だから、愛してやった方がいいよ、お父さん。

結婚式のときばっかり「お父さん、今までありがとうございました」って。嘘ばっかり、ってね。なんでいつもそういってくれないの?

お父さんの前にいったら、いえばいいんだよ。手を握ってさ。
「今までつっぱってきましたけど、本当にお父さんほど自分のこと考えてくれているひとは、いません」てね。いえばいいじゃん。そう思わない?私がおかしい?

で、結婚式にいったらさ。
「うちのお父さんは、ちょっと普通の男のひとと違います」なんていって。嘘つけこのやろう、ってさ。

ちゃんと、お父さんのこと思ったら、今まで幸せにやってこれたのって、お父さんのおかげでしょ?もちろん、お母さんのおかげもあるんだけどさ。

お父さんは、娘を他人のように思わないよ。だって、利害関係ないもん。娘に対してさ、こいつを愛して金もらってやろう、なんて思ってないもん。そんな気さらさらない。

逆に、自分の財産渡してでも、娘のためにしようって思う。だから、女の子は、もっとお父さんのこと大事にしてやってね。て、思う。

今回ちょっと、親父談義だったね。
次回は、今は「苦労はない」といってる私の、苦労していたころの話。