鍼療所開業当時の集客法②
- 2016.03.02
- 遠山塾
開業当時の苦労話、前回のつづきね。
患者さんが来ないから施術代を半値にした。こっちは半値にしてるから50%の赤字なんですよ。でも、相手はそう思ってくれない。
で、なんか患者さん来ないな、、。あ、これは患者さんを満足させていないんだな、腕の面じゃなくて、何か違う面で満足してないんだな、って。なんだろう・・?って、そんなことを毎日考えていて。でも生活しなくちゃならない。
それで、遠山塾を始めたんです。そしたら・・
なんと結構、塾生が増えたんです。
鍼だけじゃなくて他のプラスαの手法も身につけたい、という生徒が集まった
教えたのは鍼じゃなくて、操体法なんです。操体法っていうのは、痛くない方向にだけ、体をゆっくり動かして、痛みを治すという施術ね。
当時、一番遠いひとで大阪から来てくれたんです。結構、生徒が来てくれて満席になるから、毎週セミナーをやったんです。大阪から来てくれた人たちはね、向こうで診療を終わって、土曜日に電車で来て、私の治療を受けて、泊まって、次の日に私のセミナーを受けて帰っていったんです。
どうやってその人たちに広まったかっていうとね。鍼の学校を卒業した人たちが、なかなか自分の院がうまくいかないっていうんで、同級生が集まったんだね。私の卒業した学校じゃなくて、全然違う学校だったんだけど。たまたま同級生同士が集まって、芋づる式で生徒が増えたんです。地方に散った生徒がバーっと集まって、その人たちを教えたんです。
みんな鍼の先生なんだけどね。鍼だけじゃないくて他のプラスαの手法も身につけたい、っていうんで、操体法を教えたんです。こういう方法で教えられるんだな、って。
普通、鍼を打ったら動かしちゃいけないんです。鍼が曲がったり折れたりしちゃうから。でも、コツがある
操体法の他にもね、得意なことがあったんです。鍼を打って動かす、っていう施術ね。鍼を打ったら、普通は動かしちゃダメなんですよ。
例えば、腰が痛い、っていうときね。動診ていう、動かす診断があるの。どっちが痛いのかを診断して、痛くない方を調べるんです。例えば、右に動かしたら痛くない。そしたら、まず右に鍼を打っちゃう。そして体を右に動かす。そしたら鍼は絶対に曲がらないんです。そっちの方が効く、ってうのを、僕はよくわかっているの。打った鍼を抜いて体を戻すと、痛みが消えちゃうんですよ。
ところが、痛い方に打ったら、鍼は曲がってバチンと折れちゃう。危険なんですよ。だから、普通の鍼灸の先生は鍼を打ったら絶対に動かさない。動かす方向があるんですよ。私はそれをね、なぜかよくわかっていたの。
そうやって生徒を増やしていったんです。
そのうちプロの生徒だけじゃなくて、一般の素人の方の健康法をやりだした
一般の方向けにね、「健康体操」っていう形で教えたんです。それをやっていると、いろんな人が来て、治療の方に引っ張れちゃうんです。なぜかって、塾は大人数でやっているからね。個人的に受けたい、っていう人が出てくるの。
プロの先生たちも個人的に受けたい、って人もいるわけね。そうやっているうちに、だんだん来る人が増えていったんです。
そんな過程があって、治療の価格設定も、もう1万円はやめようと。もっとリーゾナブルにしようと。
それで、市場を調査したわけ。あんまり低い価格は嫌だから、自分の価格設定にしようと。周りよりは、ちょっと高かったけど。そこから始めていったんです。
つづきは、また次回。