鍼灸師に難病治療を勧める理由とは?

鍼灸師に難病治療を勧める理由とは?

江戸時代まではみんな、治療は鍼だったんです。明治時代から西洋医学が入ってきて、一気に多くなって。太平洋戦争で敗戦国になったときに「お灸で火をつけるなんて残酷だ」とかいうことで廃止させようとした。でも我々の先輩が一生懸命がんばって鍼を残そうとしてくれて、国家資格もできたわけね。それで、専門学校も大学もあって、研究もしているわけ。だけど、それでも日本の鍼は治療院業界の中で低い医療の頂点にいる医者がトップを握っているから。日本医師会とかね。だから鍼業界は暗い。

みんなが自信をもって難病でもなんでも効果を上げていけば、鍼業界の底上げになる

そうすると、若い新しい鍼灸師たちを、どんどん自信を持してあげるのね。それをぼくら年寄りがやらないといけないからね。それを見本として見せてあげて。あなたたちは、もっとこれから可能性があるからと。

わからない病気っていっぱいあるのね。坐骨神経痛とかね。難しい病気がいっぱいあるんです。そういう病気にも、とても効果があるんです。山元先生は水俣病、水銀の後遺症の方も、ちゃんと歩かせているし。全く歩けないでいた人が杖をついて歩いていますからね。水俣病が鍼で治るなんて医学界にはないから。だから、そういうありえないことが、いっぱいあるんですよ。神の領域だからね。私も少しでも神の領域に近づけるように日々、経験してね。

患者さんからいろいろ教わっている

私は患者さんからしか学べないんです。患者さんと対話して患者さんから教わる。それを覚えたら今度は次の患者さんに使ってみる。そうするしかないんです。だから、患者さんはお金を払って私はそれで勉強している。患者さんは、そんなこと思っていないけどね。だから、難しい患者さんが来ればくるほど勉強になるんです。

難しい患者さんを呼び込むには?

難病の人たちは、難病友の会みたいなものがある。私はそういうところに出向いて行くんです。だって、魚のいるところに行って餌を蒔いた方がいいじゃない。そうするとパッと集まるから。

日本人は鍼ってなると、どうしても恐怖心がある。鍼っていうと注射とか、縫い針とか、痛い、って思いがあると思う。だから、治療用の繊細な鍼なんか、わからない。想像できない。

だけど、みんな一度治療に来たら認識が変わる。「もう二度と嫌だ。頭の鍼なんか二度と嫌。」なんて人にはまだお目にかかったことがない。そんな人はいない。普通は少なくとも数回は来ます。あとは、紹介した人が強烈な人という方が来ます。紹介した人が「あんた行きなさいよ」とね。紹介された方は別にそんなに、行きたくないことは、ないんだろうけどね。でも、みんな一度来てやったら認識が変わるから。