鍼治療院経営に必要なことは?

鍼治療院経営に必要なことは?

私の名前は遠山繁。藤沢でYNSA※鍼療院を開いています(※新頭鍼療法。頭に鍼を刺す治療法です)。また、鍼治療家に向け「技術を教える遠山塾」と「治療家のための集客塾」を開いています。

なぜこの塾を作ったかっていったら、鍼灸師が迷っていたから。「この商売はもうからない」と多くの鍼灸師が言っているんです。

何でもうからないの?やり方がわかんないんだろ?じゃあそれを教えてあげましょう。となった。

それが塾の元々の始まり。

ただ技術ばっかり追っていても、それは一種の職人になっちゃう。我々は経営をしなくちゃいけないんです。ある面では技術者だけれど、ある面では経営者でなきゃダメなんです。両方うまくやっていかないと、経営はなりたたない。

そういうことを、専門学校では教えてくれないでしょう?だから、鍼灸師たちは免許を持っても経営ができない。マーケティング知識がゼロだから、市場調査もできなければ、お客さんがどんなことを考えているのかも知らない。アンケートも取らなければ、何もわからないわけです。患者さんは私たちにどういうことを求めているんだろう、というのがわからないんです。ただ、技術が上がれば人が来ると思っている。

それで、3年ほど前から技術を教えていた遠山塾に加えて、2015年4月から集客塾を始めたわけです。集客の方は、マーケティングコンサルタントの深野さんと一緒にやっています。一般的なマーケティング(集客)の知識を深野さん、臨床をやっている現場で実際どうなのかを私が教えています。

結果としては何人かの方は始めていい成果が出始めている。自分のことでいえば、今までやっていなかった集客法を取り入れて(今後ブログで紹介していきます)、一昨年もよかったけれど、去年は更に売り上げが増えている。鍼灸師って、やり方一つでいくらでも稼げるようになるんです。

鍼灸業界の現状の問題はなにか?

今、鍼灸を受けるひとが、日本に5〜7%しかいない。(参考:近年の日本における鍼灸の年間受療率

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何が問題かといったら、鍼業界全体の空気が暗いんでしょう。先生たちの将来に対する明るい気持ちが足りない。それが、患者さんにも伝わっちゃうんです。

私はいつも笑っています。いつもニコニコ。痛そうなの来ても、「あーどうしたどうした?」なんてね。いやー辛かったね、なんて。決してネガティブなことは言わない。

例えば、「痛い?」とかは聞かないんです。言うと皮膚がキュッとなっちゃうから、そういうのは全然言わない。冗談言いながらだと、みんなリラックスしてくれるんです。
「長生きするもんだね、こういうの体験できたし。頭に鍼なんか刺すとは思わなかったでしょ?」とね。そうすると、初めてでも皆結構リラックスしてくれる。

昨日も新患のリウマチの方が2人来て、一人はご主人を連れてこられていた。来た時は左手薬指が曲がって変形していたけれど、この人たちは一回の治療で指が伸びちゃったんです。右の手首が曲がらなかったから、セルフケアはこういう風にやりなさいよというポイントを教えてあげた。

患者さんにしか教えていないセルフケアの秘密の道具があってね・・。患者さんの7割ぐらいの人が持っている。重傷者は全員持つからね。

それで、みんな笑って帰るんです。毎日人を幸せにしている。だから、怒ることもない。高飛車に出る必要もない。そして、幸せを感じられる。だって、人を助けるんだもの。さらに、人を助けることによって自分も高まっていくんですよ。

私のところに来る鍼治療家の悩みで多いこと。

難しい疾患に対応できないということ。パーキンソン病などの脳神経疾患だとか、リュウマチとか、どうやって治しているんだろうか。指が曲がっちゃっているひとを、どうやって治しているんだろうか?ということ。それが一番でしょうね。

そういう患者さんを対応できるようになると、集客にもつながるんです。ただ腰痛や肩こりだけを診るんじゃなくて、治療が難しい患者さんの方が多く来る院になるといいですよ。症状を良くしてあげて、杖をついて歩いていた人が出ていくとき杖なしで元気になって普通に歩いている。

「あれ何?」となるじゃないですか。見てるんですね、ひとって。広めてくれるんです。集客の一番は、その患者さんがね、連れてきてくれるんですよ。